ブックタイトルvol.133

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概要

vol.133

浜松屋箱根200年前から箱根に伝わる伝統工芸の里を訪ねて箱根旧街道沿いの畑宿は、箱根の伝統的工芸品〝箱根寄木細工〟の工房が多く集まるエリア。江戸時代にこの地で生まれた箱根寄木細工は、さまざまな色や種類の天然木材を寄せ合わせて幾何学文様の〝種板〟を作り、これを薄く削って小箱などに貼り付けて製品化するもの。200年以上の長きにわたり、箱根地方だけで継承されてきた技法であり、経済産業省指定の「伝統的工芸品」のひとつに数えられています。箱根本陣跡にほど近い「浜松屋」は、箱根寄木細工の創始者といわれる石川仁兵衛を先祖にもつ老舗工房。店を訪ねてみると、伝統工芸士の石川一郎さんが創作の真っ最中でした。ここでは、広く寄木細工の魅力を知ってもらうべく、2階の工房を一般に公開。工程や特徴についてのくわしい説明を聞きながら、手作りの様子を間近に見学できます。一つひとつの図案は、着物の柄でもおなじみの〝麻の葉〟〝菱卍〟といった伝統的な文様から、それらを組み合わせた創作デザインまで多種多様。木材の切り出しや接着など、いずれの工程でもミリ単位の誤差が作品の完成度を左右するため、繊細な技術が要求される作業です。伝統的な寄木細工以外に、厚みのある台板に別の木材や種寄木をはめ込んで絵画に仕立てる〝木象嵌〟の制作風景を目にすることも。1階の直売所には、箱根寄木細工の代表的な作品「秘密箱」や「からくり箱」、スマホケースなど、オ浜松屋0460-85-7044 神奈川県足柄下郡箱根町畑宿138 9:00~17:00 無休「浜松屋」7代目のオーナー石川一郎さんは、寄木細工の匠でもある伝統工芸士。木象嵌を担当する弟さんと、兄弟で制作にあたっています。「寄木は数学系、木象嵌はアート系」と石川さん。●ダイヤモンド箱根ソサエティ TEL.0460-84-7455〒250-0522 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根159-14620