ブックタイトルvol.134

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概要

vol.134

『ダイヤモンド京都ソサエティ』付近は絶好の散策エリア。通りのそこかしこには、歴史・文化に触れられる施設が点在しています。ホテルから徒歩約10分の場所にある『キンシ正宗』の旧酒蔵、『堀野記念館』もそのひとつです。格子戸をくぐると、奥には築約230年の古い酒蔵が残り、昔使われていた樽や濾過機などの酒造道具が展示されています。また、ふんどし姿で酒造りに励む蔵人の姿を描いた絵も残されており、当時の活気が甘い麹の香りとともに伝わってくるようです。一方、築約150年の母屋には、芸者や豪華な料理でお客様をもてなした間、奉公人の夜逃げを防ぐために縄梯子で窓から出入りさせたという丁稚部屋が。その設えや造りを知るにつけ、京の文化や社会の様子がありありと目に浮かびます。酒造りを支えてきた中庭の「桃の井」と呼ばれる名水も、創業時と変わらぬままこんこんと湧き出ています。「以前は日本酒造りに使われていましたが、今は、地ビールの仕込み水として使っているんですよ」と、敷地内の『京都町家麦酒醸造所』で工場長を務める三好ちづ子さん。三好さんが手がけるケルシュタイプの「かるおす」やアルトタイプの「まったり」は、きれいな水でなければ違いが出ない繊細なビールですが、桃の井と相性抜群。見学後は、ビールや日本酒の試飲ができるのもうれしいところです。ちなみに、ケルシュは豆腐、江戸~明治時代に建てられた『堀野記念館』。京都市内でも古い京町家です。町家と酒造の歴史に触れできたて地ビールを味わう京都54