ブックタイトルvol.134

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概要

vol.134

ごはんのお供にぴったりの有馬伝統の味をお土産に創業は永禄2年。『川上商店』は、桶狭間の戦いの時代から、松茸や山椒を炊いて湯治客に供していたという有馬の老舗です。店頭に並ぶ商品は、ダイヤモンド有馬温泉ソサエティの売店でも販売しているお土産や贈答品にぴったりの椎茸昆布などのほか、実山椒や花山椒など種類が豊富で圧倒されそうなほどです。店主の川上 良さんに話をうかがいました。「山椒を入れて煮た料理を有馬煮と呼ぶことでもわかるように、山椒は有馬の名産として全国的に有名でした。創業時は、山に自生する山椒の実を山で取って来て薪で炊いていたようです。現在も、主力商品は当店の奥のかまどで、薪の火で炊いています」。薪の火は、あたりが柔らかく、火の回りもよいので、トロトロと佃煮を炊くにはうってつけ。最近作った新しい工場でも、かまどを作ったそうです。「昆布を使いはじめたのは、江戸時代に北前船が瀬戸内海を通って大阪・堺へ行く途中、神戸に荷をおろすようになってから」という話にも、歴史を感じます。昔ながらの商品に加え、山椒ドレッシングなどの新商品も開発。歴史や伝統を守りつつ、有馬名産の山椒の可能性を広げるための挑戦も続け、私たちの食卓を豊かにしてくれるお店です。散策するのも楽しい、風情が溢れる通りにあります。山椒の香りをオリーブオイルで閉じ込めた有馬山椒ドレッシング(972円)。サラダはもちろん、ローストビーフやカルパッチョにも。幻の味、山椒の木の皮の佃煮が復活。辛皮(972円)は、ほんの少し食べるだけで山椒の香りと、遅れてしびれるような辛みが。山に自生していた山椒の復活プロジェクトにも取り組む川上さん。「200本を有馬中に植えました。今後、数千本に増やす計画です」。川上商店 本店078-904-0153 神戸市北区有馬町1 1 9 39 :00~18:00 水曜店頭に並ぶのは手間ひまかけた商品ばかり。例えば花山椒は花が開ききらず、ちょうどいいのは1年のうちのたった1日だそう。29