ブックタイトルvol.134

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概要

vol.134

創業明治23年。界隈一の老舗味噌蔵が最盛期を迎えるのは、厳しい冬がゆるみ、春の陽射しが届く3月下旬です。「仕込みは優に百年を超えた木桶に。蔵の精とも言われる蔵つきの天然酵母と糀で発酵を促し、土用過ぎに別の木桶に天地返しを。温度変化を見ながら、発酵の度合いを見極め、じっくり1年かけて熟成させます」と当主・日下部達彦さん。懐かしく、深い味わいのある天然醸造味噌は、季節と同じ歩みで旨味を醸していくのですね。「ホテルでお出ししている朴葉味噌は、角一さんの味噌がベース。飛騨のソウルフードとも言える、朴葉味噌のオリジナルレシピを増やしたいと思っている今、大黒柱のような味噌蔵に背中を押された気がします」と濱田料理長代理。その昔、山で仕事をする人が昼時に、朴の枯れ葉を皿変わりに味噌を焼いたことが、朴葉味噌の始まりとか。時を経た現在、平成の料理人はどんなスローフードで朴葉を飾るのでしょうか。お楽しみに!昔ながらの木桶に仕込む天然醸造味噌かつてこの辺りには味噌蔵が林立し、高山の中心部を流れる宮川に架かる筏橋は「味噌買い橋」と呼ばれたそう。伝統文化が息づく小京都・飛騨高山を散策醸造元 角一0577-32-0122 岐阜県高山市上一之町90 8:30~17:00 年末年始「木桶に仕込む味噌は約4トン。表面に施しているのは柿渋です」と、日下部さん(左)の案内で味噌蔵巡りをする濱田料理長代理。下呂温泉34