ブックタイトルvol.134

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概要

vol.134

日本初のモルトウイスキー蒸留所といえば、歴史では1923年に建設された大阪山崎にあるサントリー山崎蒸溜所ですが、広さでいえば、断然『白州蒸溜所』です。ダイヤモンド八ケ岳美術館ソサエティから車で30分もかからない南アルプス甲斐駒ケ岳の山懐に抱かれた森林地帯に建つサントリー白州蒸溜所。東京ドーム約17個分の広さ、その敷地のほとんどは豊かな緑におおわれた〝森〟です。なぜそれだけ広大な敷地が必要なのでしょうか。答えは水。アルプスの山々に育まれる水を確保するために、森を丸ごと確保しているのです。その水が生み出す、軽快でクリーン、そしてフレッシュな若葉のような芳香の白州の原酒は、「森のウイスキー」と評されます。蒸留所という表現もサントリーだけは蒸「溜」所と、「さんずい」にこだわります。それだけ水を大事にしている証拠でもあるのです。昨年の1月13日から、見学システム“ 森のウイスキー”が生まれる場所へ。サントリー白州蒸溜所ポットスチルと呼ばれる銅製の蒸溜釜は、初溜釜と再溜釜を合わせて16基。数万という樽が積みあげられた貯蔵庫。庫内の温度管理は一切されず、四季の気温変化のなかで、樽がたっぷりと森の空気を呼吸し、ウイスキー原酒を磨き上げていきます。熟成は比較的おだやかに、ゆっくりと進行します。南アルプスの花崗岩層に磨かれたやわらかな水で仕込まれ、“白州の森”で生み出されるウイスキー。軽快でクリーン、柑橘系のフルーツのようなアロマのなかに薫る、爽やかなスモーキーフレーバーが特徴です。八ヶ岳58