ブックタイトルvol.135

ページ
8/76

このページは vol.135 の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

vol.135

ダイヤモンド滋賀ホテル副支配人全国のダイヤモンドソサエティで日々育まれる、ホテルスタッフとお客様とのご縁。まさに一期一会を大切にしたからこそ生まれた心温まるエピソードを集めました。 私がまだ新人の予約係だった頃から料飲部所属になった現在まで、かれこれ10年以上に渡り懇意にしてくださっているお客様がいます。法事や友人、親戚の集まりなどで度々ご利用いただいており、ご来館の際にはいつも優しくお声がけしてくださるなど、自分で言うのもなんですが(笑)孫のように可愛がってくださっています。 娘さんにご相談いただき、お料理のお好みなども考えてご提案した米寿のお祝いは、曾孫さんまで集まった賑やかな会になり、大変喜んでいただきました。また、6年前に当ホテルで自分の挙式披露宴をした際も思い切ってご招待したのですが、「年寄りがいたら迷惑になるから」と辞退されました。しかし、当日に「やっぱり、ひと目見ておきたい」と挙式だけご列席いただいたことは、忘れられない嬉しい思い出です。 ある雪の降る冬の日、約10名の宴会があり、宴会終盤に突然、誕生日ケーキのリクエストがありました。ホールケーキは予約制で当日提供することはできません。残念ながらお断りさせていただいたのですが、どうしてもケーキを提供したくて、雪でケーキを作りました。2次会場のカラオケルームにロウソクを立ててお持ちし、みんなでバースデーソングを歌ってお祝いさせていただいたところ、涙を流しながら形だけの雪のケーキを一口食べてくださいました。お客様には大変喜んでいただき、やって良かったと心から思いました。 1年後「昨年、雪のケーキでお祝いしてもらったからまた来たの」と言っていただいた時は、サービス業をしていて本当に良かったと実感できる経験でした。結婚式に出席いただいたことがとてもステキな思い出です いつも、ご高齢のお母様とご利用いただいている会員様のお話ですが「母の身体が悪くてホテルの温泉施設の利用が難しいんです」とうかがいまして。何とか温泉をお楽しみいただけないか…とスタッフと相談したところ、足湯はどうだろう?という事で、桶に源泉を汲んでお部屋までお持ちしてみたんです。結果、お母様、娘さん共々とても喜んでく温泉が利用できないお客様に客室での足湯サービスを! 季節のおいしい食べ物や珍しい食材、有名なお店の料理など、お客様におすすめするものは、当然我々スタッフが知っておかなければ説得力がありません。本来なら自ら勉強をしに行かなければならないのですが、なかなか行く機会が持てませんでした。そんな状況をお知りになられたのか、あるお客様が当館スタッフを連れて有名店や名物料理を楽しむ会を開いてくださっています。 当館のレストラン『日本料理 かも川』での、すっぽん鍋や鴨鍋、季節の会席を楽しむ会をはじめ、老舗料亭の『幾松』での会食などさまざまです。また、土用の丑の鰻や節分の太巻き、ひな祭りには笹寿司の『伍十』のお弁当など、時節に合わせた差し入れまで届けてくださいます。スタッフもいろいろな食材や料理を知る経験をいただき、本当に感謝しています。スタッフの成長を考えてお客様が開いてくれる食事会とっさに浮かんだアイデアがお客様との絆を固くしたださいました。今では、そのお客様がご来館の際には足湯サービスは定番になっています (笑)。 この一件で、通常の業務にない事でも、お客様が喜んでいただける可能性があるなら、もっと色々試していくべきだと実感しております。できる事に限界があるとは言え、何かお困りの事がある場合は一度ご相談いただく事で、お客様に喜んでいただける機会ももっと増えるのではないでしょうか。森武志ダイヤモンド瀬戸内マリンホテル飲料部課長代理近藤雅道ダイヤモンド有馬温泉ソサエティ副支配人藤澤 馨ダイヤモンド京都ソサエティ宿泊部マネージャー竹内潤司06